語学力を活かして長く働くなら貿易事務がおススメ|5つの理由

語学

「語学力を活かしたいなら【貿易事務】??」

語学を学んだ方や留学経験のある方なら、一度は考える職種のひとつですよね。

実は、貿易事務の仕事は、単に「語学力を活かせる」だけではない魅力がたくさんあります。

この記事では、貿易事務経験20年の筆者が思う、貿易事務をおススメする理由を5つご紹介します。

貿易に興味はあるけど、私に向いてるかな?

と不安に思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

貿易事務|5つの魅力

専門的なスキルが身につく

貿易事務という仕事を選んで一番良かったと思う点は、専門的なスキルが身につくことです。

専門的なスキルと言っても、すごく高度な技術や難しい知識ということではありません。

貿易に関わるモノ・カネ・書類の流れを知るところから始まります。

海外とのビジネスは、国内の商取引とは違うことがたくさんです。

関係する法令関係も当然多くなります。

手続きが煩雑だったり、規制が厳しかったり、時間や日数がかかったり、リスクが高かったり…

それらの壁を一つ一つをクリアして、確実に商品をお客様に届けなくてはいけません。

そして代金の回収も必要です。

輸入の場合はその逆で、代金を支払ったのに商品が入って来ない!なんてことがあったら困ってしまいます。

貿易事務のスキルは、そういうことを円滑に進めるための専門的なスキルです。

会社や業界が変わっても経験が活かせる

私自身なんども転職をしていますが、貿易事務の経験は、他の会社や違う業界へ行っても活かすことができます。

ただ、貿易事務というポジション自体が、一般事務や営業事務などと比べると圧倒的に数が少ないので、求人を探すことは楽ではありません。

その分、空きのポジションさえ見つかれば、経験をアピールして採用される確率はかなり高いです。

転職先でも、即戦力として活躍できます。

貿易事務は専門性もありますが、同時に経験がものを言う職種なので、経験者は転職では有利です。

女性が活躍できる

貿易事務の仕事の本当のおすすめポイントは、女性が活躍できる!という点です。

仕事の内容は地味で裏方的な要素も強いですが、かと言って、アシスタントのような軽い扱いを受ける職種ではありません。

なぜなら、書類作りや書類のチェック作業、きめ細かい調整業務など、面倒だけど、貿易の場面では避けては通れない様々な業務を担っているからです。

なので裏方だけど、しっかり頼られる存在、それが貿易事務です。

世界の動きが分かる

4つ目のおすすめポイントは、日本国内にいながら世界の動きが分かることです。

取引をする国にもよりますが、少なくとも日本以外の国の人や会社や社会と関わることになります。

日本国内の人だけを相手に働いているより視野が広くなります。

多様な考え方や仕事の仕方などに接することで、違いを受け入れるキャパも広がります。

日本だと常識だと思われているようなことも、海外では案外そうでもない…なんてこともよくあります。

ニュースで見る世界の首脳どうしの会談の内容や、株の動き、為替の動きなどが取り引きに直結するので、日本と世界のつながりを感じる機会も多いです。

これは貿易事務をしていて、本当にやりがいを感じるひとつの要素です。

現在、貿易に関わる業界は大変厳しい状況に直面していますが、どうやってこの難局を乗り越えるか??

ということを体験することも、貿易に携わる者の使命だと思って毎日奮闘しています。

仕事を通して世界中の人と仲良くなれる

「仲良くなれる」という表現が合っているかどうかは分からないのですが、仕事を通して知り合う海外の方々とは、独特な関係性を築けると思っています。

旅先や留学先で築く友情ももちろん良いものですが、仕事を通して築かれる関係性は、場合によっては一生の宝物のようなものになります。

業界やお国柄のようなものもあると思いますが、アジアやイスラム圏の国では特に、仕事とは言え、個人的な人間関係を大切にする文化があります。

日本では、○○会社に所属する△△さんという接し方をするのが普通ですが、アジア諸国やイスラムの国では、「○○会社の…」の部分より「△△さん」という個人との付き合いに重点が置かれる風潮が特に強いように思います。

ですので、会社が変わったとしても変わらぬ付き合いをしてくれることも多く、久しぶりに連絡すれば懐かしい友だちのように接してくれることも珍しくありません。

そういう意味で、旅行や留学では得られない濃い人間関係を作れるところも、貿易事務の魅力です。

もちろん、仕事内容や任される仕事の範囲による部分もあります。

貿易事務の実情

貿易事務の楽しいところ

語学が得意・好きな人なら間違いなく、語学力が活かせることが仕事の楽しさに直結するでしょう。

業務の中で常に英語に接しています。

英語以外の語学が得意な人も、ぜひ英語を好きになってください。

貿易書類で使用する言語はやはり英語がメインです。

私も最初は別の言語の方が(どちらかと言うと)得意だったのですが、貿易の仕事に携わるようになって、英語の習得に再チャレンジしました。

いくら第二外国語ができたとしても、英語ができないと、貿易事務としては致命的です。

貿易事務の楽しいところ。他にも、色々ありますよ。

仕事を通して海外のことを知れること。特に空港や港に詳しくなります。笑

日本にいながら、海外を感じられるところ。海外旅行に行きたくなってしまうという欠点はありますが、海外出張がある仕事なら、旅行欲も満たされるかも知れません。

自分のやる気次第で、仕事の幅を広げることができるところも魅力です。

貿易事務のツラいところ

会社によって仕事内容や業務の範囲が違うところは、貿易事務という仕事のツラいところかも知れません。

転職の際にはそのへんを見極めないと、思ってたんと違う…ということになってしまうことも。

裏方的な事務業務だけをしたいのか、もっと積極的に海外の取引先担当者とコミュニケーションをとるような業務に携わりたいのか…

そのあたりをよく考えて仕事選びをすることをおススメします。

貿易事務のツラいところ、、、

時差があるところ。

地球の1日は、おおざっぱに言うと、ニュージーランドあたりから朝が始まって、オーストラリア→日本→中国→東南アジア→中央アジア→中近東→ヨーロッパ・アフリカ→アメリカ大陸

というふうに朝が明けていきます。

中近東なら日本の午後から朝が始まります。

ヨーロッパまではギリ、日本の夕方までに先方の朝が始まるのでまだ良いですが、アメリカとのコミュニケーションはけっこう大変です。

オフィスが開いている時間がかぶることがないので、リアルタイムでコミュニケーションを取ろうと思うと、朝早くか夜遅くに稼働しなければいけなくなります。

そのへんはちょっとツラいですが、それも仕事の醍醐味と言えば醍醐味です。

貿易事務のツラいところ。

他には、地味な書類チェックや書類作成が永遠続くところです。

あとは、海外の人とのコミュニケーションや文化の理解に苦労する、ということぐらいでしょうか。

言いたいことが伝わらなかったり、誤解してしまったりした時に、原因が分かりづらいことがあります。

自分または相手の語学力の問題なのか、文化の違いが原因だったのか、または個人の資質の問題なのか…というように、色んな要因が絡み合って、解決に時間がかかることもあります。

貿易事務に向いている人

そんな貿易事務の仕事ですが、どういう人が向いているかと言うと…

  • 海外に興味がある ★★★
  • 語学が得意(特に読み書きが重要)★★★
  • 分からないことを自分で調べられる ★★★
  • 好奇心が旺盛 ★★
  • 事務仕事が好き ★★
  • コミュニケーション能力が高い ★★
  • 異文化を理解しようとする姿勢がある(柔軟な性格)★
  • 世話好き ★

★★★必須|★★あると良い(仕事の幅を広げられる)|★あると尚良し

たくさん当てはまる人は、貿易事務に向いていると思います。

もちろん、職場や仕事内容によって多少違いますが、3つ以上当てはまる人は貿易事務の仕事を楽しめる可能性が高いです。

貿易事務の未来

社会情勢と同じく貿易をめぐる環境も、ここ20年で大きく様変わりしました。

グローバル化が進んで世界がネット上でつながったことで、便利になったことは間違いありません。

ただ、それと引き換えに「貿易業務の醍醐味」が減った…ということを実感します。

言いかえれば「仕事が楽になった」と言えます。

貿易事務としての役割は、どんどん二極化しています。

コミュニケーション力や調整力や読解力が必要な高度な役割と、ただひたすらタイピングするとか入力するというような機械的役割です。

今はそのどちらも担うことでバランスを取っているのですが、将来的には機械的役割は限りなく減っていく、または低賃金労働化していくと考えられます。

高度な役割が担えるような経験を、キャリアの早いうちに積んでおくのが良いでしょう。

とは言え、実体のあるモノを、国をまたいで動かす業界なので、良くも悪くもIT化やDXがなかなか進まないのも実情です。

働く現場としては、良くも悪くも、まだしばらく紙の貿易書類との闘いは終わりそうもありません。

まとめ

【貿易事務】という仕事を、現場目線からご紹介しました。

語学力を活かして海外の会社と取引をする…

一見華やかそうに見える貿易の世界ですが、実務の現場は意外に地味です。

書類のやり取りが非常に多くて煩雑です。

一方で、大きな金額や商品を、国をまたいでやり取りするという醍醐味は、地味な事務作業をクリアしてこそ味わえる魅力のひとつかも知れません。

貿易という仕事の面白さを感じて頂けたら嬉しいです。

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