社会人になってから身に付けたり磨いたりして役に立ったなぁと思うスキルを5つご紹介します。
パソコン
今やスキルと言うより、私の手足の延長機能と言った方が良いぐらい不可欠な道具となっています。
パソコンにあまりなじみがない人向けに、まずはパソコンスキルの概要をまとめてみます。
(ここに書いてあるスキルを私が全て身に付けているというわけではありませんのでご了承ください)
パソコンスキルの概要
パソコンスキルを次の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。
- 事務系
- クリエイティブ系
- エンジニア系
事務系
マイクロソフト office の「Excel(エクセル)」「Word(ワード)」「PowerPoint(パワーポイント)」が代表的なソフトです。
この3つが使えれば、事務系の仕事で困ることはないでしょう。
ワード、パワーポイントはある程度使えるようになるのはそれほど難しいことではありませんが、エクセルは基礎的な表計算ソフトとしての使い方から、関数やマクロなどを用いた高度な使い方までできるため、極めようと思えば時間がかかります。
その分、極めれば極めるほど、実現できることが増えていきます。
会社や組織によって、使う機能や関数などに大きな幅があるのも特徴です。
初心者のうちは、業務で使う範囲の機能が使えるようになることから始めましょう。
クリエイティブ系
アドビの「Photoshop(フォトショップ)」「illustrator(イラストレーター)」が代表的なソフトです。
どちらも専門的なソフトなので、一般の事務系の仕事で必要になることはほぼありません。
デザイン系の職種で働こうと思ったら、必須のスキルと言えます。
ただ、マイクロソフト系のソフトがパソコンに標準でインストールされていることが多いのに対して、クリエイティブ系のソフトは月額有料制が通常ですので、プライベートで使うには少しハードルが高いです。
エンジニア系
コーディングやプログラミングのスキルのことです。
事務系、クリエイティブ系は既存のソフトを使いこなすスキルですが、エンジニア系の場合は、人に使ってもらう(または自分が使う、でも良いですが)アプリ、ソフト、システム、ゲームなどを作るスキルです。
事務系やクリエイティブ系のスキル以上に、仕事で使える技術を身に付けるためには一定期間以上の学習や経験が必要になります。
また、新しい技術や言語を習得するために常に勉強が欠かせません。
私がどのようにパソコンスキルを身に付けたか
自分のことを思い返してみると、実務の中で少しずつできるようになっていったという感じです。
ただ、私が社会人になりたての1990年代後半と言うのは、ちょうどパソコンが普及し始めたばかりという時代背景がありました。
社内でもパソコンが使える人材は限られていたので、少し使えるというだけで重宝がられたり優位に立てたというのはラッキーだったかも知れませんね。
逆に、パソコンを使用することやパソコン導入に対する理解が得られないことで、不便やストレスを感じるということが多かった気がします。
20代後半で転職したのが、たまたまひとり2台(Windows と Mac、しかも最新の)パソコンが貸与されるような若い会社だったので、自由にしかも最新のパソコンを使えることがとても楽しかったことを覚えています。
このように、パソコンに対する抵抗がなくむしろ好きだったことが、今思えばスキル習得に一番役に立ちました。
この会社で、メールソフトの使い方や、エクセル、ワード、限られた機能だけでしたがフォトショップの基本的な使い方、画像ファイルの扱い方などなど、パソコンスキルの土台となる部分を全て学ばせて頂きました。
これらのソフトを日常業務で毎日使っていましたので、特に勉強したという記憶はなく、業務を覚える過程で自然に身に付けていったと言えます。
その後何度か転職しましたが、ここで身に付けたパソコンスキルが役に立たなかったことはなかったです。
パソコンが使えることで、新しい環境でも即戦力として困らなかったですし、教えてもらうばかりで肩身の狭い思いをするということもなかったです。
その後も仕事の中で、新しいソフトや機能の使い方を習得していきました。
新しいことができるようになればなるほど自由になれる感じがします。
ということで、「社会人になって身に付けて良かったスキル」ナンバーワンは、間違いなくパソコンスキルです。
簿記の基礎知識
簿記の基礎知識を身に付けた経緯にはちょっと苦い経験があります。
パソコンのスキルとは違い、好きで身に付けたと言うよりは、必要に迫られ仕方なく身に付けた…という経緯があります。
簿記を学んだきっかけ
ある会社で経理事務を手伝うことになり、 経理の知識も経験も興味も全くゼロの状態から、振替伝票の記帳や「弥生会計」という会計ソフトの入力を担当することになりました。
ある程度の段階までは教えられた通りにやっているとできるのですが、簿記の知識がないと、教えられた最低限のことしかできず、ちょっと変形パターンが出てくると人に聞かないとできません。
人に聞いても、簿記の理屈が分からないと覚えも遅いしすぐに忘れます。
月末に数字が合わなかったりすると、先輩に迷惑を掛けたり、時には怒られたりもします。いつもは優しく仕事を教えてくださる先輩ですから、よっぽど迷惑を掛けたんだろう…と察しがつきました。
これでは仕事が不自由で仕方がなかったので、簿記を勉強することにしました。
簿記の基礎知識の勉強法
勉強と言っても、簿記の入門書を2~3冊読んだだけです。
簿記の深い知識を身に付けたいわけではなく、手っ取り早く基礎を理解しなければいけないのですが、1冊の本ではあまり理解ができませんでした。
内容は同じような入門書でも、違う切り口や違う雰囲気のイラストなどで説明がしてあるものを2~3冊読み、ようやくだんだん分かるようになりました。
簿記の基礎が何となく分かって仕訳ができるようになると、ずいぶん仕事が楽になりました。
経理以外でも簿記の知識は活かされる
その後また転職して経理とは無関係の仕事についたのですが、簿記の知識は意外にも、関係ない部署でこそ力を発揮する!と思いました。
と言うのも、会社で仕事をする以上どんな職種であっても、お金の流れ(経理部門)と無関係ではいられないからです。
身近なところで言えば経費の精算や給料の計算など、少し考えただけで経理部門とのかかわりがあることが分かります。
そして会社のお金の流れは全て、簿記の考え方が基礎となって管理されています。
なので、営業部門で働いていようが企画部門で働いていようが、簿記の知識が少しでもあると、周りと差をつけることができます。
私も、簿記の知識を身に付けたあとはそれ以前と比べて、別の視点から自分の業務や周りの業務を見ることができるようになったように感じました。
また、知識がない人には見えていない世界が見えているという感覚もあります。
簿記だけに限ったことではありませんが、自分が携わる業務や部署内でやっていることだけではなく、他部署でやっていることを理解することで、広い視野で会社の動きを見られるようになります。
そういう意味で簿記の基礎知識は、どの業界、どの職種で働いても、役に立ちます。
ライティング
文章を書く力全般のことです。
特にどこかへ習いに行ったとか勉強したということではないですが、ある会社で厳しく訓練されたことがきっかけで、意識するようになりました。
WEBライティングの仕事をしていたこともあり、さらに言葉選びに気を配るようになりました。
ライティングが役に立つ場面
今後ますますライティングスキルが重要になるのは間違いないです。
こんな場面で役立ちます。
メール、チャット
ビジネスの場面では年々、文章でのコミュニケーションの割合が増えています。
以前なら面と向かって口頭や電話で伝達していたことが、どんどんメールやチャットに置き換わっています。
コロナ禍でリモート化が進み、その傾向にますます拍車がかかっています。
ですので、伝えたいことを簡潔かつ丁寧に、過不足なく文章化できるスキルは、どんな職場でも役に立ちます。
情報発信
誰でも情報発信できる時代になりました。
ライティングなどということを意識しなくても、皆、食べるように、寝るように、文章を書いています。
YouTubeなどの動画で情報提供をする際にも、まず台本を書いてそれをもとに話したり読んだりすると、話すプロでなくても情報が伝わりやすいです。
商品・サービス販売
ネット通販市場が拡大しています。
また誰でも商品やサービスをネットで販売できるようになりました。
販売する商品やサービスの魅力を文章で伝えることの重要度が増しています。
販売するためのライティングスキルは今後ますます注目です。
コミュニケーションを補う
口頭でのコミュニケーションが苦手な人にとっては、生きやすい時代になったのではないかと思っています。私もそのひとりです。
口頭以外のコミュニケーションツールがたくさんありますので。
そこで役に立つのは、やっぱりライティングスキルです。
ライティングに国語力や文章力は必要ない
ここで言っている「ライティングスキル」は、一般的な国語力とか文章力とはちょっと違います。
国語力とか文章力と言うと、美しい文章や美しい描写、正しい文法、正しい言葉選び…などということをイメージすると思います。
才能やセンスのようなものが必要になってくるかも知れません。
ですが、ビジネスで使うライティングスキルは、簡潔に正しく情報を伝えるとか、読みやすい文章を書くとか、商品の購入ボタンをポチってもらえるように誘導するとか、知識を身に付けて少し訓練すれば誰でも身に付けられるスキルです。
国語の授業で習う文章の書き方とはずいぶん違うものなので、国語に苦手意識を持つ人も心配いりません。
交渉力
交渉力は大げさな言い方をすると人を動かす力とも言えます。
販売や営業の場面なら買ってもらう、契約の場面ならあなたの希望の条件でOKをもらう、クレーム対応の場面なら相手に納得してもらうなどです。
交渉力は仕事の場面ではもちろん、プライベートでも自分の武器になります。
交渉力の身に付け方
行動心理学、広告に関わる本を読むと勉強になります。
広告を作る本職の人は、人間がどのような刺激に対してどのような心理状態になり、どのような行動を取るのか?ということを研究し尽くして広告を作っているので、いわば人を動かすプロと言えます。
あとは、身近な人で交渉の上手い人のやり方を見ていると、学べることが多いです。
交渉力は悪用厳禁
交渉力は人を動かす力でもありますので、悪用は厳禁です。
知識や力を得たからと言って使う場面を間違えると、あなたが信用を失ったり人間関係を壊したりしかねませんので注意が必要です。
語学力
必須ではありませんが、あると仕事の幅が広がります。
希望の職種で必要がある場合はどうしても身に付けないといけなくなりますが、今は独学でも学べる方法がたくさんあるので、働きながらでも充分身に付けられます。
語学力に関する世間の誤解
世間でいまだに誤解されてるなぁと思う語学力に関する見方があります。
それは、日常会話が簡単でビジネス会話が難易度が高いというレベル付けです。
よく就職や転職の際のエントリーシートなどに語学レベルをチェックする項目がありますが、
- 日常会話程度
- 簡単なビジネス文章、会話
- 交渉やプレゼンができるレベル
のようなレベル分けがあったりして、1→2→3(低→高)の順に語学力が高いと判断されると思うのですが、実際には、2→3→1(低→高)の順番に高レベルなスキルが求められます。
2は定型的な文章や会話です。伝える内容も伝える表現もほぼ定型文に当てはめて対応できるレベルです。
3は伝え方や表現には幅がありますが、伝える内容や目的がはっきりしています。
それに対して1は、伝える内容も表現方法も決まってなく、目的もさまざまなため、出題範囲の決まっていないテストを受けるみたいなものです。
なので、仕事で使う語学力を身に付けようというときに「まずは日常会話から…」と思うと、なかなかできるようになっている実感がわかず挫折してしまう原因になります。
仕事で使える語学力を身に付ける5つのステップ
ビジネスで使う語学力の最初のステップは、チャットやメールでのコミュニケーションです。
チャットやメールなら考える時間もありますし、人にチェックしてもらうこともできます。
業務で使う範囲の定型文を真似して使う
最初は定型文で対応できる内容のコミュニケーションを、チャットやメールでやり取りするのが良いです。
例えば注文書を送るとか、納期の確認や連絡とか、出荷の連絡とか、そういった日々の業務なら、必ずその会社で使われている定型文みたいなものがあるはずです。
最初は、先輩が使っている定型文を完コピして使わせてもらうのがベストです。
実は同じ英語で同じ内容の文章でも、業界や会社によって、チョイスする単語や文章の書き方が違ったりすることがよくあるからです。
できれば上手な文章を書く人の文章をコピーできると良いですね。
少しずつ定型文以外のコミュニケーションの機会を作る
定型文に慣れてきたら、イレギュラーな連絡や確認のチャットやメールを打つ機会を少しずつ増やしましょう。
業務の内容を自分ではコントロールできないかも知れませんが、日ごろからメールのCCやグループチャットなどに入ってくる、人のコミュニケーションを見て勉強しておくと良いです。
チャンスが来たときに役に立ちます。
クレーム対応や交渉レベルのメール対応に挑戦する
通常の連絡とか確認とか一通りできるようになったら、次に挑戦するのがクレーム対応や交渉ごとです。
交渉に含まれるのが、売る立場なら価格改定の説明とか納期が遅れる説明などがあります。
購入する立場なら、値下げの交渉とか納期前倒しの依頼などです。
海外在住経験や留学経験などがなくても、これぐらいのレベルに到達することは充分可能です。
電話や口頭でのコミュニケーションに挑戦する
電話や口頭でのコミュニケーションは、ある程度慣れるのに時間がかかるかも知れません。
先輩の文章をコピーしたり、文章の内容をチェックしてもらったりってことができないですからね。
特に最近では、連絡はチャットやメールで済ませることが多くなったため、電話や口頭でのコミュニケーションは、難しい依頼や交渉などに限定されることが多いです。
簡単な連絡を電話でして会話の練習を…と思っても、ただの連絡ならメールでして!ということが多いですよね。
その方が連絡内容の誤解やミスも防げますので、私もテキストで残してほしいと思ってしまいます。
となると、会話のスキルを業務の中で上達させることは難しいのかも知れません。
逆に言うと、会話のスキルが要求される業務というもの自体が少なくなっているとも言えます。
食事や接待の場でのコミュニケーションに挑戦する
食事や接待の場で使える語学力は相当ハードルが高いです。
初心者が対応できなくても、自信をなくす必要は全くないと思います。
先にも書きましたが、範囲のないテストを受けるみたいなものですので。
もちろん、場面にもよります。
日本語が話せる人がその場に何人いるかとか、接待を受ける側なのかする側なのかでも違ってきます。
そういう意味も含めて、もっともハードルが高い語学スキルだと私は思っています。
語学力を過信しない
語学力に関して、どうしても伝えておきたいことがあります。
語学力は単なるひとつのツールであって、それ以上でもそれ以下でもないということです。
日本語を話さない人に対して、伝えたい内容なり伝えなければならないことがあるときに、語学力が役に立つというだけのことです。
日本語だけ理解していれば日常生活にも困らず、普通に文化的な生活が送れる私たち日本人は幸せとも言えます。
世界にはひとつの言語だけ使っていたのでは、近所の人とコミュニケーションが取れなかったり、学校や職場でも不便する国がたくさんあります。むしろそういう国の方が多いかも知れないです。
そういう国に生まれ育てば、嫌でも語学が堪能にならざるを得ません。語学ができるかできないかが死活問題になるからです。
なので、そうでもない環境の日本では、日本語しか話せないことは当たり前で、それは恵まれた環境です。
だけどこれからはどうなるか分かりません。
日本が多民族国家になることはなさそうですが、観光客も含め日本を訪れたり移住したりする外国人は増えるでしょう。
そうなったときに、日本語以外の語学ができれば便利です。
まとめ
社会人になって身に付けて良かったなぁと思うスキル5選を紹介しました。
社会人になってイチから身に付けたものもありますが、ある程度学生時代に基礎となる部分を身に付けていたものもあります。
どちらにしても、その時々で自分が好きなことや興味を持てることでないと学習が長続きしません。
「役に立ちそう」という理由だけで、好きでもなく興味も持てないことを身に付けようとするのは無理があります。
あなたにも是非、興味が持てることを見つけて、学んだり関わったりして頂きたいなぁと願います。